事業報告
 令和元年度 社会教育基礎研修
公民館事業活性化研修会
 
 期 日  令和元年 9月19日(木) 10:00〜15:50
 参加者  79名
 事業内容
 一億総活躍社会の実現に向けて、また、現代的な課題である持続可能な人づくり・地域づくり、少子高齢社会において、公民館が担う役割を原点に立ち返って見直し、公民館事業の活性化を図るとともに、地域づくりへの寄与を目的とする。
 内容の実際

【研修1】(事例発表)「『つどう』『まなぶ』『むすぶ』公民館事業の実際」
 <主として『つどう』事例> 島根県松江市津田公民館 主事 長岡  和志 氏
 <主として『まなぶ』事例> 岡垣町教育委員会生涯学習課公民館係 主任 北園  美樹 氏
  岡垣町教育委員会生涯学習課 社会教育指導員 更田 まゆみ 氏
 <主として『むすぶ』事例> 福岡市多々良公民館 館長 川添  恵子 氏
 <講 評> 講師:佐賀大学大学院学校教育学研究科 教授 上野  景三 氏
  担当者が本研修会のテーマを説明し、『つどう』『まなぶ』『むすぶ』という公民館の機能について確認をしました。その後、『つどう』『まなぶ』『むすぶ』各事例について、公民館での取組を発表していただきました。津田公民館の発表では、1000人が集った七夕飾りづくりについて、学校と地域の協力を得てたくさんの人が集う仕掛けをしたこと、岡垣町中央公民館の発表では、講座受講生が学んだことを生かす場としてボランティアの活用の工夫をしていること、多々良公民館では、民生委員や青少年育成連合会など複数の団体が連携して公民館を起点として事業を行ったことが発表されました。そして、講評では、講師の上野氏に各公民館の発表について、取組のよさや補足を話していただきました。
【研修2】(講 演)「公民館の機能を生かした人づくり・地域づくり」
 講師:佐賀大学大学院学校教育学研究科 教授 上野  景三 氏
 
 まず、事例発表者へ上野氏が質問するという形でスタートしました。参加者はその質疑応答を通して事例発表について理解を深めることができました。そして、講演では、「公民館の機能を生かした人づくり・地域づくり」という内容でお話していただきました。公民館の機能が人づくり・地域づくりにどのような影響を与えているか、そして、その公民館事業を考えるために地域の実態の把握と分析が必要だとお話しされました。人口ピラミッドや将来推計人口、佐賀県の人口動態などの具体的なデータを基に、ある校区の事例を挙げて、人口は変わらないが世帯数は増加していること、一世帯の構成員数は減少していること、子どもを持つ世帯の減少など問題点を指摘されました。さらに「人生100年時代の持つ意味」について話をされ、マルチステージの人生、家族構成の変化、生涯にわたる学びの重要性など、社会情勢の変化に対応することが大切であるとお話しされました。最後に、まとめとして「地域を理解する、分析する、課題を整理する」「新しい手法の開発」「公民館に新しい風を入れる」「年間通じて、中長期的に考える」という公民館事業関係者へのメッセージを送られました。参加者からは、「非常に分かりやすかった」「もっと時間をとって話を聞きたかった」という声が多くありました。

【研修3】(グループ協議)「『つどう』『まなぶ』『むすぶ』公民館事業を目指して」
社会教育総合センター 社会教育主事
福岡県公民館連合会 専門部員
 最初に、事例発表や講演を受けて参加者が各自の公民館で取り組んでいる事業を振り返り、意見交流を通してよりよいものにするという協議のねらいを確認しました。次に、グループごとに各自の地域、事業での課題を出し合いました。出された課題について『つどう』『まなぶ』『むすぶ』という観点で整理し、それぞれの取組や課題、悩みなどを交流しました。そして、その課題について解決策を考え交流しました。様々な立場から多様な意見を交流する中で、事業改善のアイデアを見出すことができ、自身の公民館に戻って事業を行う際のヒントとなったようでした。
  活動写真
 
津田公民館の事例発表 岡垣中央公民館の事例発表
多々良公民館の事例発表 事例発表者への質疑
講演での様子 グループ協議での様子

 
 参加者の声
〜事例発表〜
皆さんの取組がよくまとめられていてわかりやすかった。
事例をもとに写真を見ることで具体的に様子が伝わった。悩みについても共感できた。今後の取組に生かせそうだと思う。
メリット、考えられるデメリットがよくわかり、参考になりました。
各地区で地域住民にとって公民館が何らかの役割を果たせるよう工夫努力されていることが伝わりました。
上野先生の講評の「平均世帯人員から実情を分析する」という視点がとても参考になった。
「受講生が講師になる」という取組はとても参考になりました。
市外、県外の公民館の特徴も分かり、参考になりました。それぞれの地区で問題点をあげると悩みは同じなんだなあと思いました。公民館の「つどう」「まなぶ」「むすぶ」とは、コツコツと続けることだと思いました。
   
 〜講演〜
核心をついた話、とても勉強になりました。事業を考えるとき、今日の話を頭に入れたい。
これからは色々な家族が増えていくので、それに合わせた講座をつくることが大切になっていくというところが参考になった。
詳細分析等されており、大変分かりやすかった。
人生百年時代への意識改革を考えること。
事例について要点を話してくださったので、よりよく理解できた。
大学教授は観点が違うので大変勉強になる。
公民館の在り方を、人口構成や寿命から考える視点はとても参考になった。
世帯人数を計算するということを視点におかれていたのに驚いた。帰ったら計算してみたい。
校区の世帯割を出す。校区を知る等々、大変勉強になった。
午前の続きのパネルディスカッションはよかった。今後の公民館の在り方について大変参考になった。
   
 〜グループ協議〜
受講生の固定化、スタッフの高齢化等、問題点は変わらないと感じた。
自治公民館長の方と話す機会をいただいた。公立公民館のことだけでなく自治公民館についても知っていく必要があると思った。
課題を解決するための展望を持つことができた。
どの公民館も同じ悩みがあることが分かった。
他の公民館の事情も知ることができた。公民館の館長さんの話を聞くことで様々な課題があることが分かり、ベテランのみなさんのご苦労もお聞きすることができた。
「むすぶ」まではなかなか行かないが、まずは「つどう」からと思い、色々と企画してみる。
皆さんのたくさんの経験と実例、基本的なアイデア、とても勉強になった。
他の自治体の課題や取組を聞くことができ、参考になった。
他の市町村の様々な取組が聞けたこと、また、自分の市町村との違い等の比較ができたことがよかった。
   
 〜全体を通して〜
公民館事業を活性化させるためのヒントを頂いた。参考にしていきたい。
勉強になった。がんばります。
他の人の意見を聞くことで、ヒントを得ることができた。知らない方とお話しすることは刺激を受けてよいことだと思う。
参加させていただいて大変よかった。
皆さん、いろいろ悩みがあり、頑張っていらっしゃるので、私も頑張ろうと思った。
とても参考になった。また参加したい。
大変有意義な時間だった。期日もよい。
今後の業務に参考にしたいことがあり、大変有意義な研修となった。
上野先生のアドバイスが良く参考になった。