事業報告

令和3年度

子どもの豊かな学びのための学校外教育支援事業
〜「みんなで育もう!ふくおかの子ども育成支援フォーラム」〜

T 事業概要について

1.目的 

 「ふくおかの未来を担う子どもの育成」に向け、家庭教育・子育て支援等の子どもの育ちに関わる個人や団体及び行政担当者等が集い、学習や交流の場を通して、家庭教育・子育て支援の在り方を考えるとともに、参加者同士のネットワークの構築を図る。

2 日時等 

  1. 日時 令和3年12月11日(土)
  2. 場所 福岡県立社会教育総合センター
       (福岡県糟屋郡篠栗町大字金出3350-2)
  3. 参加者数 72名
 

U 発表内容について

1 【全体会】提案発表

  1. 団体名
    山口県岩国市川下中学校区家庭教育支援チーム「チームほっとちゃん」
  2. 発表者
    岡田 淳子 さん(川下中学校長) 平井 真奈美 さん(愛宕小学校PTA事務)

3. 発表内容
 「チームが立ち上がったきっかけ」、「なぜチームが必要だったのか」、「なぜ学校とPTAと地域との連携が必要なのか」を中心とした発表。子どもが抱える様々な問題を解決する中で、その背景にある保護者達へのアプローチや支援の仕方に工夫が必要であることを実感したことが、立ち上げのきっかけ。個人で保護者を支援していく限界を感じ「学校」と「PTA」と「地域」がチームとして多面的な視点から保護者の支援にあたることにより、大人同士がつながり、学びを深め、次の大人世代の育成につながっていく好循環など、実践事例を交えた発表がありました。

全体会画像

2.【分科会発表(実践発表)団体】 

  1. 第1分科会 Children First FUKUOKA
  2. 第2分科会 こどもと音楽あそびの広場【輪音】
  3. 第3分科会 福岡県こども食堂ネットワーク
  4. 第4分科会 NPO法人 いるか

※ 参加者は、上記4つの分科会のうち2つを選択し、各分科会に参加しました。

〈分科会発表(実践発表)〉

  • @ 第1分科会「地域の子育てを応援するためのネットワークづくり」
  • 【発   表   者】Children First FUKUOKA 田中 祥一朗 さん
  • 【ファシリテーター】福岡県教育庁筑豊教育事務所 岸野 和徳 さん
  • 【コ メ ン テーター】筑豊子育てネットワーク「かてて!」 渡邉 福 さん

 〜 発表内容 〜
「児童虐待の現状」「団体設立の経緯」「今後の取組」を柱とした発表がありました。2020(R2)年度の福岡県の虐待件数や児童虐待による死亡事例が年間70件を超えていることなど、地域の厳しい状況について説明がありました。
 また、飯塚病院を拠点とし、児童虐待を防止するために関係機関とどのようにネットワークを広げていったのか、ネットワークを構築する上で、「顔がわかる関係」から、「顔の向こうが見える関係」になり、「信頼できる関係」になることで、「連携しやすくなる」ことを自身の実践を通して発表がありました。

第1分科会写真
  • A 第2分科会「親の学びや育ちを応援するためのネットワークづくり」
  • 【発   表   者】こどもと音楽あそびの広場【輪音】 近藤 美和子 さん
  • 【ファシリテーター】福岡県教育庁北筑後教育事務所 西田 俊輔 さん
  • 【コ メ ン テーター】福岡県PTA連合会 川原 未絵 さん

 〜 発表内容 〜
 音楽療法士の近藤美和子さんから、音楽を通して、親御さんや障がいのあるお子さんへの講座や活動を始めた経緯、実践してきて感じたこと、そして「音」を通して親御さんに今まで伝えてきたことの発表がありました。
 また、ワークショップでは参加者が色々な楽器を手にして音を出して、「音」で人と繋がり、コミュニケーションをとる楽しさを実感している様子が見られました。

  • B第3分科会「支援が必要な子どもを応援するためのネットワークづくり」
  • 【発   表   者】福岡県こども食堂ネットワーク 大西 良 さん
  • 【ファシリテーター】福岡県教育庁北九州教育事務所 森 健一郎 さん
  • 【コ メ ン テーター】福岡県社会教育委員 大谷 清美 さん

 〜 発表内容 〜
 「こども食堂の現状」、「地域で様々な役割を担うこども食堂」についての発表がありました。
「こども食堂」は現在(2020年3末)、全国におよそ4,960箇所あり、ここ数年増加していること。コロナ禍でも形を変えて活動が続いていることの説明がありました。
 また、「こども食堂」は、子どもたちの「SOSサインに“気づく場”」、「安心できる場所」、「人や制度(社会)とつながる場所」、「“生きづらさ”に耳を傾けてくれる場所」であることを参加者に呼びかけました。
 さらに、「こども食堂」を支えているフードバンク等についても説明があり、社会的なつながりの必要性にも踏み込みました。

  • C第4分科会「地域全体で子どもの学びや成長を応援するためのネットワークづくり」
  • 【発   表   者】NPO法人 いるか 佐々木 悠史 さん
  • 【ファシリテーター】福岡県教育庁南筑後教育事務所 古谷 誠二 さん
  • 【コ メ ン テーター】特定非営利活動法人宇美こども子育てネット・う〜みん 川上 利香 さん

 〜 発表内容 〜
 福岡市西区を拠点とし、そこに暮らす全ての人が「役割」「つながり」「居場所」を持てるようになることを願い、こどもを真ん中に置いた循環型・自立型のまちを目指した活動の発表がありました。
 無料の個別学習支援教室「マナビバ」を立ち上げた経緯や目的、コロナ禍でも「マナビバ」を継続するために、SNS(LINE)を用いて活動を行っていること。また、地域や企業とつながることにより、様々な事業を進めることできることがわかりました。

V その他

1 子どもプログラム・託児について

 子育て中の保護者が安心して、本フォーラムに参加できるように、小学生を対象とした「子どもプログラム」と、乳幼児を対象とした「託児」を行いました。フォーラム開催中、子どもたちは安心して楽しい時間を過ごしました。

(子どもプログラムの様子) (託児の様子)

2 参加者の声について

(1) 提案発表について
  • 皆さんの活動がわかってよかった。
  • 連携の必要性を特に感じました。
  • 岩国市の活動に感激しました。
  • 学校がこのような行動ができることを知りませんでした。
(2) 分科会発表(実践発表)について
  • 普段の業務ではあまり関われない方の話を聞くことができました。
  • 名刺交換もでき、つながりを持つことができました。
(3) フォーラム全体について
  • 支援を要する子どもや家庭に対する様々な取組を知ることができました。
  • 今後、教育行政として、団体との連携、支援の大切さを再認識しました。
  • 毎回参加している。勉強になることはもちろん、色々な人とのつながりを作る場を提供してもらい、感謝している。
  • 現場で生かせるものがあればという思いで参加している。自分自身の学びの場になりました。