事業報告
 平成27年度

中国・四国・九州地区生涯教育実践研究交流会第
34回大会 
 
 主催
  福岡県教育委員会 日本生涯教育学会九州支部
 
 主管
  中国・四国・九州地区生涯教育実践研究交流会第34回大会実行委員会 
  福岡県立社会教育総合センター 
 
 期日
  平成27年5月16日(土)・17日(日)〔情報交換会5月15日(金)〕
 
 参加者
   情報交換会:60名
   1日目:410名 交流会:287名
   2日目:244名            参加者数合計(延べ)654名
 
    第34回大会 巻頭言

     「実践研究交流会」こそ「地方創生」
          学び合いの場である

 本実践研究交流会も第34回を迎えることになりました。34年も続くこの「交流会」の特色は、参加者による「受益者負担、手弁当」です。また、中国・四国・九州地区各県の「実行委員」の企画・協力で実施されます。さらに、徹底して「実践研究」にこだわる、まさに実践研究交流会なのです。そして、常に「未来の必要」を提言することを目指しています。このようなこだわりを大事にしながら34回目を迎えることができたのも、実行委員の皆様や主催の福岡県教育委員会や福岡県立社会教育総合センターの御支援の賜物と、心から感謝申し上げます。
 さて、我が国は今、人口急減・少子超高齢化という大きな課題に直面しております。このような中で、各地域は多くの課題を抱えております。その解決のために、それぞれの地域の特徴を活かした自律的で持続的な創生をできるよう、国としても「地方創生」を掲げ、地域課題解決に向けた学び合いの場が求められております。本実践研究交流会は、地域での実践を取り上げ、課題解決に向けての事例を研究交流し合ってきました。地域課題解決の実践研究の場として34回を迎える本大会こそ、国の地方創生の構想の先駆けとなっているのだと確信いたしております。
 今回は、中国・四国・九州地区の全ての県から28の実践事例が報告されます。また、三浦清一郎先生の特別報告「国際結婚の社会学」や、矢野大和氏を中心とした特別企画『「笑学校」の実践と理論』があります。御期待ください。
 これらの多彩なプログラムが、御参集される多くの皆様方の研究・交流の場となることを期待いたします。また、情報交換会では、「ふるさと自慢」の特産品を持ち寄って楽しく語り合い、交流しましょう。
 なお、最後になりましたが、私、この交流会の創設者、三浦清一郎先生、森本精造先生の後を受け、今回から代表世話人に就任いたしました。 皆様方の御教導を得ながら、精一杯お世話役を努めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

                                                             代表世話人 古市 勝也
                                                             
発表内容及びプログラム
 ■5月15日(金)情報交換会 19:00~
 ■5月16日(土)
  ◇開会式 10:15~10:45
  主催者あいさつ  福岡県教育庁理事 友野 晃
 ◇実践発表① 10:45~12:30 12事例発表 
・安養寺サタデースクールのふるさと体感プログラム(島根県奥出雲町)
   安養寺サタデースクール 指導員  田中 靖子 
    奥出雲町教育委員会 社会教育課 高橋 伊尚


・「学びのカフェ」物語~ひとが変わり まちが変わる~(広島県大竹市)
   大竹市立玖波公民館 職員 河内ひとみ

・町の人材、島の資源を生かした「いせん親子チャレンジ教室」(鹿児島県伊仙町)
   伊仙町教育委員会 社会教育課 係長 富山 勇生

・「大豆100粒運動」第2弾 ~学校と農家と消費者をつなぐ企業発の食と流通の総合的学習:その継承と展開~(佐賀県佐賀市)
   ショッピングシティ・アルタ 販売促進企画室長 池田 龍二

・発酵食文化による地域自給の普及と田んぼアートの実践を起点としたスローフードのむら・まち交流(山口県山口市)
   すろーふーどらいふ山口ネット・和(のどか) 代表 白木 美和

・「がっこう」づくりから中山の活力を! ~休耕田も、おしゃべりバスも、高齢者の社交場も、若い力を循環させて地域を支える~(高知県安田町)
   安田町ふるさと応援隊 横田 光貴 
   NPOスマイルひろば 小倉 祐輔


・図書館が挑む地域ネットワークの構築 ~「サイエンスモールin飯塚」の取組み~(福岡県飯塚市)
   飯塚市立図書館 館長 大石 俊一

・「学社融合」を積み上げて来た産山モデルの理念と実践(熊本県産山村)
   産山村教育委員会 生涯学習係長 澁谷 香織

・「YKG60(矢掛小中高子ども連合)」の企画ー発想ー実践のサイクル(岡山県矢掛町)
   からだ喜ぶ会 代表 井辻 美緒

森は海の恋人…落葉広葉樹を3,896本 ~森林ボランティア「ふくの森の会」の15年~(山口県下関市)
   森林ボランティア「ふくの森の会」 広報担当 乗兼 佑司

・子どもの「遊び特区」を創り、「ふるさと愛」を育む(福岡県鞍手町)
   「遊びの森クラブ」 代表 嶋立 輝行

・県立施設ー市町行政ー公民館等が協働する「課題解決支援講座」による地域づくり ~「課題解決」は何が課題だったのか?~(佐賀県佐賀市)
   佐賀県立生涯学習センター(アバンセ) 企画主任 北村恵理子

 ◇実践発表② 13:30~16:15 16事例発表
・吉賀は本気だ!帰って来いよぉ ~地域を支える人材(財)を地域ぐるみで育てよう「サクラマス・プロジェクト」~(島根県吉賀町)
   吉賀町教育委員会 課長補佐 福原 靖子   派遣社会教育主事 杉内 直也

・目指した成人式は「日本一」~新成人が発信するメッセージと表現力こそが成功のカギだ!!~(沖縄県那覇市)
   那覇市職員労働組合 書記次長 野底 武光

・子どもによる伝統芸能の継承が地域をつなぎ、異年齢の仲間集団を育て、地域文化を支えている(長崎県諫早市小長井町)
   長立会 指導者・世話人 森  和明 

・人も資源もつないで育てる八幡浜元気プロジェクト(愛媛県八幡浜市)
   NPO法人 八幡浜元気プロジェクト 代表理事 濱田 規史

・「体験機会の創造」と「基礎学習サポート」を組み合わせた「放課後チャレンジ教室」(大分県国東市)
   国東市協育ネットワーク コーディネーター 萱島 かよ

・「母なる海を守る会」の「協働」戦略 ~一人から始まり、850人を繋いだ「クリーンビーチ作戦」~(山口県長門市)
   「母なる海を守る会」 会長 島寿 一明  油谷中央公民館 前館長 森田 和康 

・ふるさとを知り、ふるさとを学ぶ総合的学習の学社連携~「高千穂大好きプロジェクト」~(宮崎県高千穂町)
   高千穂市立高千穂小学校 指導教諭 橋本 香織

・「大莞少年消防クラブ」26年の伝統と社会参画(福岡県大木町)
   大木町消防団第3分団 前部長 北原 幸則

・「学校支援会議」が実践する地域・家庭・学校が一体となった教育事業の企画と戦略(長崎県南島原市)
   南島原市協育委員会 地域コーディネーター 中村 浄子

・小規模校における社会教育施設との学社融合プログラムの試み ~地域は子どものために、子どもは地域を元気に~(熊本県熊本市)
   熊本市立中島小学校 教諭 林田  匡

・「男のクラブ」が主催する珈琲ショップが地域をつなぐ(鳥取県倉吉市)
   鳥取県倉吉市小鴨公民館 主事 枡田 弘子 男のクラブマスター 北村 隆雄

・「良き企業人は良き社会人」の理念にもとづく高校生キャリア教育の「学民協働」(鹿児島県日置市)
   日章学園鹿児島城西高校 中高連絡部広報担当 花薗 伸一

・「待つ支援」から「届ける支援」まで母親たちが創造した子育て支援の全方位的モデル(徳島県徳島市)
   NPO法人 子育て支援ネットワークとくしま 理事長 松﨑美穂子

・28年の歴史が築いた0歳児からの子育て支援(鳥取県鳥取市)
   鳥取市立賀露地区公民館 主任 岸 多津   主事 岸 睦

・強い翼をつくるための心と身体の栄養 -子どもたちを青空に!(大分県大分市)
   大分市立吉野中学校PTA 会長 三浦 章嘉
   会員 相馬 剛 但馬 環 飛田 靖枝 小村 美由紀 竹田 幸恵


・「親の学び」プログラムは未来の家庭教育支援 ~ターゲットは次世代!コミュニケーションのできる親になれ!!~(熊本県)
   熊本県教育委員会社会教育課 社会教育主事 服部  正

 ◇実践発表の様子 


 ◇特別報告 16:30~17:00
テーマ:「国際結婚の社会学-国際化で日本文化は変わるか?-」
     三浦 清一郎(月刊生涯学習通信「風の便り」編集長)
  

 ◇大会交流会 17:30~20:00
  
 
特別企画 インタビュー・ダイアローグ&「笑学校」の教育実習
  「笑学校」の理論と実践
-「大分話し方教室」は笑いとコミュニケーションで人生を拓く-
 

第1部 インタビュー・ダイアローグ 1


語り手 矢野 大和
聞き手 三浦 清一郎

「笑い」の中にどう「教育的メッセージ」を織り込んで行くのか?




第2部 インタビュー・ダイアローグ 2


語り手 正平 辰男
三浦 清一郎
聞き手 矢野 大和

「笑い」の中で何を言えというのか? 注文の多い二人の晩学者に聞く


第3部 (1)「笑学校」の教育実習

三浦 佳代子(笑わせたいわ笑学生)



(2)矢野大和校長の講評…
「笑い」+「教育的メッセージ」
 

 登壇者  
矢野 大和 (「笑わせたいわ笑学校」校長)
三浦 佳代子(笑わせたいわ笑学生)
正平 辰男  (純真短期大学特任教授)
三浦 清一郎(月刊生涯学習通信「風の便り」編集長)

 
参加者の声 (抜粋)
 ◇実践発表について
・学んだ成果をどのように生かすのかという生涯教育実践の重要課題に対する様々なアプローチを知ることができた。
・行政主体でなく、地域からスタートして大きく発展している点が、大変すばらしいと思いました。
・子育てに関して、いろいろな世代の人がかかわり、それをつないでいる人がいるんだということがわかりました。
・地域づくりをいかに取り組むのか、地域性を生かし継続的に活動をするまでの最も重要なポイントとして「人」をキーワードに特性を活かした取組について参考になった。
 
◇特別報告について
・日本とアメリカの歴史により文化は当然違っていきますが、お互いに良いものは伸ばし、国際社会が努力していく必要を感じました。 
・ひとつひとつのエピソードにうなずける場面が多くありました。
・おもしろい切り口での問題提起でした。
・普段感じない疑問が鮮明になり、日本の文化の素晴らしさを感じた。

◇特別企画について
・笑いは大切です。いつも笑って生活がしたい。 
・異分野同士をどう結び付けるか。とにかく楽しかった。「笑い」を「学習」+「教育」に取り込むという発想がすごい。
・笑いと共感との関係について考えさせられました。
・笑いの重要性が再認識できた。
・単独の講演でなく、聞き手、語り手というインタビュー形式がより、笑いを取り、引き込ませたのだと思います。

◇その他の声
・たくさんの元気を頂くことができました。ぜひ続けて参加させていただきます。 
・来年は情報交換会にもぜひ参加したい。
・年々NPOや市民団体の発表が理論的で面白くなっている。