事業報告
 平成29年度
まちづくり・人づくりを担う人材育成研修
「まちづくりに活かす企画力育成講座」
 
 期 日  平成29年10月23日(月)  9:50〜16:00
 参加者   37名
 事業内容
 超高齢社会の到来や人口減少といった喫緊の課題解消と一億総活躍社会の実現に向けて、地域コミュニティの持続と活性化を図ることを目的とし、まちづくりプランの作成や人材育成プランの作成に関わる企画・立案のスキルを身に付けるとともに、専門職員としての資質の向上を図る。 
 内容の実際

【説明】「まちづくり・人づくりを担う人材育成研修と本講座の位置付けについて」
 説明者 福岡県立社会教育総合センター 研修・情報室   鍋田 涼子 

担当社会教育主事による事業説明

「まちづくり・人づくりを担う人材育成研修」については、過去2回の研修講座で説明をおこなってきていますが、今回は3回講座の最終講座であるため、総務省 人材力活性化・連携交流室が平成24・26年度に発行した「地域づくり人 育成ハンドブック」の内容から、地域づくり人が学ぶべきことや求められる力について説明をしました。さらに、企画力については、今後もまちづくり・人づくりに係る根幹的力であることを説明し、本講座と他2回の講座の構成について、図示して視覚的にもわかりやすくしました。
【研修1】(講義)「学び」のつくりかた
             〜“共育”目線で、好循環を!〜
講師 ふくおかNPOセンター
代表 古賀 桃子 氏

KJ法を使った地域課題の紹介と分類
 研修1では、講師の古賀先生から、「地域の課題として感じていること」について、KJ法を使った話合いの手法を取り入れながら、受講者同士の自己紹介も交えながら進めていただきました。講義では、まず、ふくおかNPOセンターが関わっている社会教育(生涯学習・青少年育成)の取り組み、最近の地域社会の新しく難しい課題に多様な主体が連携・協働していくことの大切さについて示唆いただきました。また、福岡県内の地域活動における好事例や全国各地の公民館の多くの素敵な取り組みの数々をコレクションという形で紹介いただき、受講者の方々にも好評でした。そして、これからの社会教育の役割は、課題解決志向・地域の伴走役の中で自己実現していく姿勢と、気付き(学び)+活動体づくりの場や地縁に志縁をつなげるお世話や資源(人、金、場所等)の仲介をする機能を併せもつことと、地域のための中間支援であることを平易な言葉でわかりやすく解説いただきました。さらに、挨拶や名刺交換などの基本的なコミュニケーションを欠かさないこと、目標を地域と共有し理解しながら、できることから少しずつ常に身の丈を意識しながら推進していくことがコツであると実践者の立場からお話しいただきました。
古賀氏による講義・演習
 学びのつくりかたとして、企画書に備えるべき条件のうち、対象者や時間・頻度、目標については、特に具体的に、入念にということを押さえられました。例えば、行程表を作ったり、ヒト・モノ・カネや情報・時間の見積もり等です。そして、明確な目標なくしてふり返りなしというように、PDCAの視点がなければ、改善もあり得ないということ、「目的」≠「目標」であり、成果目標(事業が終わるころの目標)は2つ立てることが肝要であることを例を示しながら具体的にお話しいただきました。講義終盤では、“共育”目線で仲間づくりもでき、“自分”目線で楽しみながら事業を構築できること、学びづくりの技や地域資源を活用することで、事業がより効果的・魅力的・効率的になっていくことも示唆いただきました。



【研修2】(演習)「企画の極意」
              〜ねらいどおりのパフォーマンスに〜
講師 ふくおかNPOセンター
代表 古賀 桃子 氏
グループでの意見交換

 午後からの研修2では、講師の古賀先生から、受講者が実際に企画書を作成し、グループごとにお互いの企画書の内容を検討し、意見交換するという演習を行っていただきました。まず、「企画書自主トレ3本ノック!」と題し、企画者自身で立案した企画を見直す過程。「おやくそく」として、1.企画の留意点を意識すること、2.“自分”目線を大切に、3.楽しさ・おもしろさも加味して を提示されました。次は、グループ内でお互いの企画にアドバイスする段階。受講者は、この「おやくそく」に沿って、自分の企画を見直し、付加・修正後、グループ内の他者からのアドバイスにより、さらに焦点化・充実した企画へと発展していきました。また、講師自身がそれぞれのグループに足を運ばれ、アドバイスや事例を示していただいたことで、場の雰囲気も和やかになりました。

 
 参加者の感想
【研修1】(講義)
      「学び」のつくりかた 〜“共育”目線で、好循環を!〜 について
 
自分たちだけで取組もうとするのではなく、様々な分野の人たちと一緒になることで、課題解決に近づくことができるし、自分たちの意識も変わることができ、それが共にスキルを上げて成長していこうというものにつながるのではないかと思った。
すてきな取り組みコレクション!“楽しくゆるい”仕掛けというのが再発見でした。
身の丈にあった、しかし“楽しい”企画がまちの活性化につながると思いました。
事業計画書を具体的に書き込んでいく中で詰まっていない部分が明らかになり、大変有意義でした。
目標があっても、そこに到達するために色々な所を巻き込む、協力すること。そのための経過や過程も考える必要があることを学びました。
人材育成事業立ち上げに、参考になった。
   
【研修2】(演習)
      「企画の極意」〜ねらいどおりのパフォーマンスに〜 について
企画を自分だけで見直すだけでなく、色々な人に見てもらうことで、気付かなかった視点の意見をもらうことができるし、そのためにも土台となる企画をしっかり作ることが大切だと思った。
当事者目線で、自分だったらどうだろう参加したくなるだろうか、自問自答しながら企画する、身の丈に応じて。
企画のターゲット、焦点が明確になった気持ちがします。
目的と目標の違い、事業計画を立てる時に、おさえておかなければならないこと等勉強になりました。
全国の先進事例。発表中にさっと見繕って、すぐ紹介してくださったので!
すいすいと話をされ、非常に内容濃い研修だったと思います。グループ内での意見が自由に出せてよかった。
   
3 講座全体を通じての感想や気付きについて
とても良かったです。参加者の企画や意見を多く聞けたのが良かったです。今後へ向けてのシミュレーションになりました。
初めて企画を作り、更にチームの方々に色々の意見を言ってもらえたことは、非常に参考になりました。
実際の企画立案は非常によかった。アドバイスもいただき、参考になりました。
県内各地の皆さんと情報交換できてよかった。
講師の語り口が平易であり、ポイントがしっかりしていたので、ダレることなく最後まで聴講できた。
古賀先生、とてもすばらしいお話でした。実践に役立てることが出来る内容でした。