事業報告

 平成30年度  社会教育基礎研修

家庭教育支援者等基礎研修会

 
 期 日  平成30年8月7日(火) 9:50〜15:50
 参加者   42名
 趣旨
 家庭の教育力低下が指摘され、子育てに悩みをもつ保護者が増加している中、社会全体で家庭教育の支援を行うことが求められており、地域における家庭教育支援の核となる家庭教育支援者等の育成が急務となっている。そこで、説明や事例発表、講話を通して家庭教育の現状をつかみ、その重要性を再認識するとともに、家庭教育支援者としての意欲の向上と今後の取組の充実を図る。
 内容の実際

【説明】「家庭教育調査から見えてくる家庭教育支援の現状について」

説明者: 研修・情報室 社会教育主事
 本研修会は、家庭教育を支援する者を対象とし、「つながり」をテーマに実施しました。社会教育・生涯学習関係課をはじめ民生委員・児童委員の方々など42名の方にご参加いただきました。説明では、「家庭教育調査の結果から」、「国・県の家庭教育支援の施策」、「家庭教育支援の具体的な推進方策」の3点を中心に、家庭教育支援の基礎的な内容を説明しました。当センターが長年継続している家庭教育に関する調査結果を分析した家庭の教育力の実態、家庭教育支援における国や県の役割や施策、家庭教育支援の具体的な取組等を紹介しました。

【実践発表】「みんなが集いつながる場 日の里子育てサロンの取組」

発表者: 日の里子育てサロン
                代表 棚橋 美智子 氏 
 事例発表では、棚橋美智子さんから「みんなが集いつながる場づくり」をテーマにお話をしていただきました。
 まず、日の里子育てサロンが、宗像市教育委員会と連携し、全国でも前例のない中学校の余剰教室を利用して子育てサロンを開設した経緯について説明がありました。
 また、中学校と連携し、中学3年生の家庭科の授業に中学生と乳幼児との交流を位置づけたり、行政と連携して保健師、助産師による妊婦体験のワークショップを行ったりしている取組が紹介されました。
 そして、取組を通して、「育児不安の解消」「親子のリフレッシュ」「親の育児能力向上」「虐待の防止」「次世代の育成」の5つの成果があったことを具体的な事例を交えながらお話していただきました。特に、「次世代の育成」について、中学校で育児体験をした子どもたちが、親となってサロンに集まり、そして、サロンに来ていた親が支援者になってつながっていくというお話からも、日の里子育てサロンが地域の子育てにおいてとても大切な役割を担っていることが分かりました。

【講話】「みんながつながる家庭教育支援」

講師:宮崎国際大学 准教授 相戸 晴子 氏

 午後からの講話では、宮崎国際大学准教授の相戸晴子先生に、「みんながつながる家庭教育支援」をテーマにお話していただきました。
 家庭教育支援者として「親に何を支援すればいいのか」「どのようにアプローチするのか」「誰とどうつながれば目的を達成できるのか」という、担当者としての悩みに直接関わる内容について、具体的な事例を交えながらお話していただきました。
 まず、「親に何を支援すればいいのか」については、家庭教育支援が「親の育ちのプロセス」であるという視点から、親の地域参加による学びの階段をいかに作っていくかが大切であると語られました。
 次に、「どのようにアプローチするのか」については、保護者を支える支援者の関わり方を「しつけ糸」に例えてお話されました。最初は、しつけ糸のように寄り添いながらしっかり導き、地域参加ができるようになるまで見守り、最後はしつけ糸を取るように、保護者が自立できるようになったらそっと離れていくことが大切であるという話に参加者の方が大きく頷いていました。
 最後に、「誰とどうつながれば目的を達成できるのか」については、家庭教育支援者が分野・立ち位置を越えてつなぐことが必要であるとまとめられました。


【協議】「地域みんながつながる家庭教育支援を目指して」

進行: 研修・情報室 社会教育主事 

 協議では、まず、他業種の方で4人1グループになり、話し合いの雰囲気作りのため、アイスブレイクを兼ねて自己紹介を行いました。そして、グルーブで課題意識をもってもらうために、悩んでいることや気になっていることを交流して課題をまとめていきました。
 次に、「グループの課題を解決するにはどうしたらよいか」について、グループで話し合って解決策を考えて模造紙にまとめていきました。
 最後に、それぞれのグループで学んだことの情報交換を行ってもらいました。Aグループでは、「意識の高い保護者しか来ない」「効果的な広報」「保護者へのアプローチ」が課題として挙がりました。解決策としては、他部署や関係機関などがつながり協力して対応していくことで、様々なアプローチが可能となり、多くの課題が解決できるという考えを発表しました。
 アンケートからは、参加者の方々が違う立場の方々と意見交換をすることで、自分にはなかった視点や考え方を学ぶ場になり、有意義な協議になったようでした。





参加者の声  
 
 【実践発表】「みんなが集いつながる場 日の里子育てサロンの取組」について
長年の取組でのつながりの大切さを聞くことができ、大変勉強になりました。
色々な取組をされていてビックリしました。
少子化の今、将来子どもを育てる不安を解消できる未来の親(中学生)作りにもなり、今の親が他人に我が子を触れさせ地域へ一歩踏み出す勇気がもらえる場にもなっている理想的なサロンだと感動しました。
乳幼児と中学生の関わるサロン、授業の中で子どもたちと関われる時間とてもいいと思いました。
子育てサロンの詳しい内容について初めて聞けて興味がわきました。
支援も継続していくと循環していく例がとてもよかったです。
これまでの実践がとても素晴らしく、参考になることばかりでした。
中学生が乳幼児とふれあうことは、中学生、お母さん方にも大きな成果があると思います。
   
 【講話】「みんながつながる家庭教育支援」について
学びの段階を具体的に教わり、今後の事業にいかせていけたらと思います。
家庭教育支援をどのようにとらえ、アプローチするのがいいか大変参考になった。
本人自らが来たい、行きたいと思わせることが大事だと改めて感じました。
保護者が支援者へステップアップできるような家庭教育支援が大切だという事に気づかせていただきました。
「支援者は、上からではなく、下から支えてフェードアウトしていく」すごく勉強になりました。
しつけ糸の話がすとんと胸に落ちてきました。そんな支援、子育てを目指したいです。
保護者の方々のゴール像「学校や地域をつくる主体者」この意識は大事だなと思いました。
とても具体的な提案で、今後、自分が何をしていかなければならないか、少し明確になってきたように思います。
   
 【協議】「地域みんながつながる家庭教育支援を目指して」について
他市町村の方のお話が聞けて大変参考になりました。
違う立場の方々と多方面からの視点で協議でき、有意義でした。
普段、話せない仕事の方たちと話せてよかったです。
原点を思い出し、団体の方の悩みを聞いて色々な解決策を一緒に考えることができて有意義でした。
立場が異なる方たちとの協議で新たな気づきが多くありました。
皆さんの思いや活動が聞けて心が温かくなりました。
様々な立場の方と意見交換ができ、今後に生かせることが多く出たのでよかったです。いろんな立場の人と話し合い、問題を共有できて楽しくもあり参考になりました。
現場の悩みが聞け、参考になりました。