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大韓民国平生教育院視察団が来福

県立社会教育総合センター周辺の紅葉も見ごろになった11月17日(金)に、大韓民国平生教育院協議会のメンバー26名が当センターの視察と情報交流に来福されました。

韓国の「平生教育」は、日本国が推進している「生涯学習」と同じ意味で使われており、平生教育院では、国立大学と地域の公立図書館が連携して学習情報の提供や各種講座等の開設を行っています。各平生教育院は連携して大韓民国平生教育院協議会を組織しており、今回は13大学平生教育院の教授と職員並びに平生教育院協議会の役員が来福されました。


平生教育院関係者との情報交流の中で、韓国の平生教育院の機能とその役割や韓国における生涯教育の進め方が少し理解できました。その一つを紹介します。
韓国の平生教育院で展開されている各種講座は、趣味・教養的な講座ではなくて、各種の資格取得に結びつくものがほとんどで、講座修了者にはそれぞれの資格が付与されるシステムになっています。その資格付与にあたっては平生教育院が発行する独自の資格もあるようです。資格取得した人々は、その資格を活用して就職や起業に活かす人々が出てきているとのことです。そのため、講座の開設も人々のニーズの高いものを講座として開設しているようです。ちなみに、人々の趣味・教養講座等は民間レベルで数多く行われているようです。

韓国と日本の生涯学習の違いは、この辺にあるように思います。日本でもリカレント教育として再就職のための学習講座や教育プログラムも行われてはいますが、韓国の平生教育はまさに、就職や職業に結びつけるための学習活動でありそのための資格付与であります。日本でも、学んだ学習の成果を適切に評価する生涯学習社会の構築が望まれているところですが、今後は、「学ぶ学習」から「生かす学習」、「出口のある生涯学習」に変換していかなければならない時期に来ているのではないかと感じたところです。


平成18年11月25日                  
  県立社会教育総合センター副所長 宮野 哲美