センターNEWS:事業報告 (平成23年度)

この一年、内と外のネットワークをつくれたか

  平成23(2011)年も師走を迎えました。今年は何といっても、3月11日東日本大震災の衝撃が大きく、一刻も早い復旧・復興と粘り強い長期的な取組を私たちすべてが始めなければならない時となりました。そのような中、「気がつけばもう年の終わり」という観はありますが、顧みますと本年もまた多くの方々に支えられて「社教センター」を運営することができたと感じ入り、ただただ感謝に堪えないところです。

 5月21日・22日に開催した「中国・四国・九州地区生涯学習実践研究交流会」は、30回の節目の記念大会であり、当センターが昭和59年開所以来手がけてきた主要事業であります。10年、20年と引き続き参加いただいている方(中には、30年続けて参加されている方も数名いらっしゃいます)、新しく参加され息吹を吹き込んでいただける方。改めて、生涯学習を志向する方々のネットワークのすごさに感動し、そのネットワークを受け継ぐことの大切さを 実感する機会となりました。
第30回九州地区
生涯学習実践研究交流会の様子
 知的障がいのある高校生の職業的自立をめざして、6月18日から1泊2日、8泊9日、1泊2日と3回に分けて「いきいきチャレンジ塾」を実施しました。中でも8月20日から実施した8泊9日のキャンプは、最長期のものでした。それだけに、参加した特別支援学校高等部の生徒、保護者、ご支援いただいた先生方、そして当センター職員等との間に強いネットワークが形づくられました。今後は、このようなネットワークが県内各地で生まれ、そのことを基盤として、「障がいのある子どもたちに豊かな体験活動機会が提供できる」ように、当センターとして支援していく必要があります。
 いきいきチャレンジ塾の様子
  振り返ってみますと、「社教センター」も開所以来28年目が終わろうとしています。この間、より多くの県民の皆様に来所して頂けますよう、施設・設備の整備や良質な学習プログラムの企画に腐心してまいりました。しかし今あらためて、そのことと同じくらいの汗をかいて、直接利用者のもとや地域に出向き学習ニーズを把握したり、協同でプログラムを企画・運営するなど、職員個々のネットワークをさらに広げなければならない、と強く感じています。いずれにしても、日々の積み重ねによって生み出されたネットワークこそが、当センターの栄養源であることは間違いありません。 
 
 社教センターの全景
  11月終わりの昼休みに、当センター裏山を散策しました。そこで、当センターに付設した陶芸窯周辺を黙々と整備されている永年の利用者に出会いました。山に入ると退職後15年来、当センターに関わり続けてある方が草刈り機で藪を開いてありました。このような足元の確固としたネットワークに支えられてこそ、当センターが存立しえるのだと改めて実感させられました。来年もまた今までに築き上げたネットワークをベースに、より多くの県民の皆様とのつながりを深めていく所存です。引き続きのご愛顧を重ねてお願い申し上げます。
平成23年12月1日 黒田修三