(平成22年度)
1.英彦山新緑トレッキング 2.英彦山紅葉トレッキング 3.英彦山歴史・文化探訪 4.ひこさんチャレンジキャンプ
5.ひこさん環境調査隊 6.集まれちびっ子「ひこさんわくわく小天狗塾」 7.ひこさんわくわくキャンプ
8.ぶらり英彦山フォト教室 9.英彦山キャンプ塾 10.チャレンジ!冬山登山! 11.青年リーダー・ボランティア研修
12.高校生ボランティア研修 13.ひこさん里山ファミリー体験 14.長期自然体験活動モデルプログラム普及・啓発事業(調査研究) 15.ひこさん紅葉まつり

  5.ひこさん環境調査隊 平成22年10月9日(土)〜11日(月) 2泊3日 
参加者 40名
事業内容

  「ひこさん環境調査隊」は環境学習をテーマとした2泊3日のキャンプ企画です。主な活動の舞台は北九州市にある藍島と曽根干潟です。この藍島や曽根干潟には個体数の減少が懸念されているスナメリやカブトガニなどの希少種をはじめ、実に様々な生き物たちが生息しています。今回の企画は、これらの生き物たちと出会い、またこれらの生き物たちを育んでいる豊かな自然との触れ合いを通して、自然環境への理解を図るとともに、自然環境への関心を高めることをねらいとして実施しました。

10月9日 1日目 活動@海岸散策
 藍島の千畳敷海岸で散策を行いました。藍島千畳敷は大潮の干潮時に広大な岩場が現れるとても美しい海岸です。海岸に生息している生き物や貝殻、化石などいろいろなものを収集しました。

海岸散策の様子 生き物や貝殻などを探す
子どもたち
「貝の化石を見つけたよ。」 「たくさん友達が
できました。」

●10月9日 1日目 活動Aスナメリウォッチング事前学習
  翌日のスナメリウォッチングに向けて、スナメリのことを知るために事前学習を行いました。藍島小学校内の掲示物や展示物を見学したり、スライドを見たりしてスナメリの生態やスナメリが減少している原因について勉強しました。スナメリウォッチングへの意欲が高まりました。

 スナメリウォッチング
事前学習の様子
藍島小学校の環境に関する
掲示物を見せていただきました。

●10月10日 2日目 活動Bスナメリウォッチング
  藍島・若松近海でスナメリウォッチングを行いました。当日は、波が高いなど条件に恵まれず、残念ながらスナメリに会うことはできませんでしたが、漁船に初めて乗る子も多く、漁船クルージングを楽しみました。

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「スナメリウォッチングに
行ってきまーす。」

スナメリウォッチングの
様子

「波が少し高いけど、
風がとっても
気持ちいいよ。」

きれいな海をバックに、
「はい、チーズ!」

 10月10日 2日目 活動C干潟生物調査
  北九州市小倉南区の曽根干潟で生物調査を行いました。日本カブトガニを守る会福岡支部の方々にご指導いただきながら、絶滅危惧種であるカブトガニやハクセンシオマネキをはじめ、干潟に生息する多くの生き物たちと触れ合うことができました。曽根干潟の自然の豊かさを実感しました。

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干潟に生息する生き物を
探す子どもたち

望遠鏡をのぞいて
野鳥を観察

「ヤマトオサガニを
見つけたよ!」

「カブトガニの赤ちゃん
かわいいいね。」
 10月11日 最終日 活動D布絵シアター
  北九州インタープリテーション研究会の方々による布絵シアターを観ました。曽根干潟の生き物たちの様子が四季を通じて変わることや、海と川、山はつながりが深いことなどを知ることができました。途中、子どもたちが野鳥に扮したり、山伏が登場したりして楽しみながら学ぶことができました。
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布絵シアターの様子

子どもたちも様々な
格好をして劇に出演

「ズグロカモメは中国から
曽根干潟へと
渡ってきます。」

英彦山名物の
山伏も登場し、
大変盛り上がりました。

 10月11日 最終日 活動E思い出のクラフト作り
  藍島の千畳敷海岸で収集した貝殻や石、英彦山の枝や木の実などを使って、海と山の思い出を収めたクラフト作りを行いました。3日間の活動を思い出しながら、自然、そして生き物たちとの触れ合いから感じたことを作品に表現しました。3日間の最後の活動、友達との思い出話にも花が咲いていたようです。

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思い出の
クラフト作りの様子

講師の先生にアドバイスしていただきました。

熱心に作業する
子どもたち

できあがった作品の数々
参加者の声
活動@海岸散策
・藍島でのクラフト材料集めが一番楽しかったです。きれいな砂浜に、ふつうの海にはないきれいなものがたくさんあったからです。

活動Bスナメリウォッチング
・スナメリウォッチングが一番楽しかったです。スナメリは見れなかったけど、漁船に乗ることはあまりないので楽しかったです。また乗りたいです。

・スナメリは見れなかったけど、いつ来るかわくわくできたから楽しかったです。
活動C干潟生物調査
・カブトガニの赤ちゃんやカニなどいろいろな自然の生き物と触れ合うことができてとてもよかったです。

・とびハゼとかコメツキガニを探したりしたのが楽しかったです。なかなか見られないからすごくテンションが上がりました。
・海に行ったりカブトガニが見れたり、いろいろな体験ができたからよかった。こんな体験はなかなかできないからすごく楽しかったです。
・カブトガニやスナメリ、カニの数が減っているなど海の生き物の今の状況が分かったのでよかったです。
活動D布絵シアター
・布絵シアターを見て、生き物や自然のことがとってもくわしく分かりました。

・ほら貝がふけたので楽しかったです。
活動E思い出のクラフト作り
・自分でひろった貝や石、木などで思い出をクラフトにあらわしたから楽しかったです。  

全体の感想
・干潟をきれいにして、たくさんの生き物がすめるようにしたいです。
・海の生き物たちがまちがってごみを食べないように自分もごみを捨ててある時はできるだけ拾うようにします。
・いろいろな体験ができ、たくさんのことを知りました。海と森・世界はつながっているんだなと思いました。
・海のごみとり(清掃活動)にも参加して見ようと思います。ごみを川などに捨てないようにしたいです。
・今回参加して、生き物をむやみにつかまえない、植物をむやみにとらないなど、自然を大切にしようと思いました。
・自然の大切さ、楽しさ、おもしろさがとてもよく分かりました。いろんな自然を愛し、守っていきたいです。
・家でもリサイクルなどしたいです。ごみのポイ捨てはせず、森や海を大切にしたいです。
・お米のとぎ汁は庭にまいたり、お店のレジで袋はもらわないようにしたり、近くに行く時は歩いていくようにしたり、環境にやさしいことをしようと思います。
全体をとおして
  今回の「ひこさん環境調査隊」は、環境学習の第一歩として、まずは自然環境に思いっきり浸る活動を仕組むことで、自然の楽しさや豊かさを実感してもらいたいと企画しました。1日目の藍島での海岸散策、2日目のスナメリウォッチング、曽根干潟での生物調査では笑顔で生き生きと活動する子どもたちの姿が見られました。特に曽根干潟での生物調査では、講師の先生のご指導のお陰で、絶滅危惧種であるカブトガニやハクセンシオマネキをはじめ多くの干潟の生き物たちと触れ合うことができ、参加した子どもたちは大感激でした。感想からも分かるように自然との触れ合いを満喫し、自然環境に興味・関心をもたせることができたことは今回の企画の大きな成果ではないかと考えています。また、最終日の布絵シアターは、前日の自然体験活動を振り返り、自然環境の素晴らしさや大切さについて理解を深めることにつながりました。この布絵シアターでの振り返り学習を取り入れたことで、参加した子どもたち自身が「自然を守りたい」という思いをもったり、自然を守るために「まず、自分ができることからはじめよう」という行動意欲をもったりすることができたように思います。