事業の報告 平成26年度
  7.英彦山森林環境ボランティアⅢ

事業目的
   自然豊かな英彦山を舞台に、森林整備体験や学習等を通して、森林環境や水源に関する知識・理解を深めるとともに、主体的に環境保全活動に取り組もうとする意欲をもったボランティアの育成を図ります。
期 日  平成26年11月30日(日)

       
参加者 32名(小学生1名、高校生25名、教員1名、一般5名)

プログラム 【11月30日(日)】
        
 時  間 活 動 内 容 
10:30~10:45 開講式
10:45~11:30 活動「みんなの森づくり」 ~植樹作業~
11:30~13:00 活動「館内グリーンアドベンチャー」
13:00~14:30 実習「竹炭クラフト」
14:30~15:30 講話「これからの環境について」
15:30~15:40 閉講式

             
活動の実際
 
活動【みんなの森づくり】 ~植樹作業~
 一昨年度の研修で間伐した跡地に、青年の家敷地内に生えているカナクギ(クスノキ科)の植え替えをしました。掘り起こしたり、運んだりするのに苦労しましたが、よりよい環境への移植のため、どのグループも協力する姿が見られました。
本来であれば枯れてしまうカナクギが、参加者の手で再生する。このような「森づくり」を今後も行っていきたいと思います。
木を掘り起こす参加者  掘り起こした木と一緒に記念撮影  木を植える参加者

参加者の声
  ・ 今回3回目の活動だったけど、やっぱり充実した活動でした。2回目の植樹活動は大変だった けど、森林を助けたと思ったら、すごくすがすがしい気持ちになりました。今後もこのような活に積極的に参加していきたいです。
・ 今回初めて参加したのですが、植樹の必要性を実感しました。森を助けるのは大変でしたが、楽しみながら参加することができたのでよかったです。
・ 山にある杉林はよく目にしていたけれど、杉林の中に実際に入ってみると、光が当たらず、光合成ができない木や草花がたくさんあることに気づきました。地道に活動をつづけ、自分たちで森林を作り上げる大切さを学びました。
・ 木の性質や山のことを施設の人がよく知っていて、一つ一つの命を生かそうとしているところを見習いたいと思います。

活動【館内グリーンアドベンチャー】 
 お昼前から降り出した雨のため、プログラムの内容を変更し「館内グリーンアドベンチャー」を行いました。館内の配置図を手掛かりに窓から見える木や植物などの名前を調べたり、スケッチを描いたりと、雨天でも英彦山の自然にふれられるプログラムです。少人数でグループを編成したことにより、グループで協力しながら活動を進めることができました。途中、グループごとに昼食をとり、終始和やかな雰囲気の中での活動となりました。
協力しながら活動する参加者 植物の名前を調べる参加者

参加者の声
  ・ 日頃は目にすることのない色々な木や花の名前を知れてよかった。雨でも自然にふれることができ良かったです。
・ 色々分からないこともあったけど、みんなで協力して問題を解いたり、スタッフの皆さんに細かいところまで教えていただいてとても助かりました。普段の生活では触れることのない自然にふれることができ、自然の大切さを感じました。
・ 珍しい花や植物が敷地内に咲いていたり、掲示されていたりして、とても面白かったです。英彦山にしかない花など、英彦山の自然の豊かさを知ることができました。

実習【竹炭クラフト】
 午後からの実習では、竹炭をつかったクラフト活動を行いました。竹炭は、水の浄化・消臭などの効果があり、河川の水質改善の取り組みなどに利用されています。講師には、遠賀川源流サケの会会長青木宣人氏を迎え、御指導いただきました。前回の研修で作った竹炭を耐水ペーパーで磨き、思い思いの形のキーホルダーを作りました。作品が完成すると、形や磨き具合などをお互いに見比べる姿も見られ、楽しく活動することができました。>
耐水ペーパーをかける参加者        参加者に指導する青木先生

 
参加者の声
  ・ 竹炭のクラフトは珍しく楽しかったです。水の浄化に利用した後の竹炭も無駄にせず、再利用したり、物を作ったりすることは大切だと思いました。
  ・ 竹炭が、あんなにピカピカになるとは思いませんでした。伐採した竹が川の水をきれいしにしたり、アクセサリーになったりすることを初めて知りました。色々な方が環境問題に取り組んでいることを知り、自分にもできることがないか考えていきたいと思います。
  ・ 夏に割った竹が炭になり、川をきれいにしていることを聞いてうれしかったです。河川の環境や森林の環境についてもっと知りたいと思いました。

講話【これからの環境について】
 竹炭のクラフトに引き続き、遠賀川源流サケの会会長青木宣人氏に「これからの環境について」の講話をしていただきました。スクリーンに画像を映し出しながら、荒廃した森林など現在の森林の状況からこれからの森林再生などについての話を詳しく説明していただきました。どの参加者も、森林について深く考えるきっかけとなりました。
 
 熱心に話をされる講師            講話を聞く参加者

参加者の声
  ・ 森林について考えたことがなかったので、考えるよい機会をもらうことができました。体験活動も行い、お話の内容を実際に確かめることができました。
  ・ 森林は、生きていくうえで大切だと思ったし、保全活動にもっと社会的に力を入れていくべきだと思いました。自分も環境ボランティアに積極的に関わっていきたいと思います。
  ・ 自分たちの生活に満足しているからあまり自然のことについて考えなくなってきていると思うので、これからはきちんと考えたいです。

全体をとおして
 今回は、年3回の研修を締めくくる研修として、間伐跡地への植樹作業やこれからの環境についての講話などを実施しました。雨模様の天候で活動内容を一部変更しましたが、評価票の結果から、参加者全員が、森林をはじめとする自然環境に対する関心やボランティア活動に対する意欲を高めることができたことが分かりました。
 過去2年間は、英彦山青年の家周辺において活動を行ってきましたが、今年度は、青年の家を離れ、河川での水質調査や水生生物調査などを実施し、森林と河川とのつながりなど、参加者が環境に対する視野を広げることができました。
 今後も参加者が環境問題について広く学び、環境ボランティア活動に関心を持ってもらえるような事業を企画していきたいと考えています。