事業の報告 平成27年度
  4.体験活動リーダー研修in英彦山
ねらい
 自然豊かな英彦山のフィールドを舞台に、体験活動の実践をとおして、指導者に必要な知識や技能を身につけ、学校・地域で活躍できる体験活動指導者の育成を図る。
期 日  平成27年7月4日(土) ~ 5日(日)

参加者 17名

プログラム
第1日目【7月4日(土)】
 時  間 活 動 内 容 
 9:30~10:00 受付
10:00~10:30  出会いのつどい 
10:30~12:00 演習「集団づくりに生かせるレクリエーション」
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 講話「体験が人を伸ばす~指導者の役割~」 講師:青年の家職員
14:00~15:30 説明「自然観察ゲーム」・演習「キャンドルのつどい準備」
15:30~18:30 野外調理「カレーライス」「手作りバター」
18:30~20:00 演習「キャンドルのつどい」

第2日目【7月5日(日)】
 時  間 活 動 内 容 
 6:30~7:15 起床・荷物整理
 7:45~9:30 野外調理「ホットサンド」「スープ」
 9:30~11:30 講話・演習「応急救護について」
11:45~14:30 野外調理「ピザ」
14:30~15:00 別れのつどい

活動の実際

【演習:集団づくりに生かせるレクリエーション】
  最初の演習として「集団づくりに生かせるレクリエーション」を行いました。ここでは、実際にレクリエーションを体験し、活動の進め方や効果的な人間関係作りについて学べるように進めました。まず、初めて出会った者同士が緊張をほぐすために、胸の前でグーとパーを交互に入れ替えていくグーパーゲームや相手の名前を呼び、ぬいぐるみを相手に渡す自己紹介ゲームなどを行いました。次に、グループが目標に向かい、協力して課題に取り組むために、向かい合って持ったタオルにぬいぐるみを乗せて飛ばし、次のペアへリレーするタオルリレーやビー玉を半分に切ったパイプに乗せ、順に次の人にリレーしていくパイプラインなどを行いました。活動が進むにつれ、笑顔や会話が増え、レクリエーションの効果を体感していただきました。
↑青年の家職員によるレクリエーション指導 ↑タオルリレーを行う参加者

 参加者の声
・子どもたちと同じ気持ちで楽しむことができたし、活動の留意点も理解することができた。
・とても楽しくコミュニケーションがとれてよかったです。

【講話:体験が人を伸ばす~指導者の役割~】
 青年の家職員が体験活動を実施する上で指導者に求められる技能や資質についての講話を行いました。体験活動を通じて人を伸ばすためには、「対象に応じて、適切な時期に、適切な量を、適切な指導の下」で行うことが重要であるということを話しました。参加者は、体験活動が意図的・計画的に実施されてこそ体験活動が効果的であることを学ぶことができました。
↑青年の家職員による講話 ↑メモを取り真剣に聞く参加者

参加者の声
・目的をもってレクリエーションやゲームを行い、同じメニューでも使い分けたいと思いました。
・体験活動は自分で体験してこそ、指導者としてその魅力を教えることができると思うので、今後の教育活動に、ぜひ生かしていきたいです。


【説明:自然観察ゲーム  演習:キャンドルのつどい準備】
 予定していた自然観察ゲームが雨のため中止となったので、自然観察ゲームの進め方や指導する上での留意点について説明をしました。その後、参加者は「キャンドルのつどいが厳粛な雰囲気の中で連帯感や友情を深めるために行う」という目的を知り、キャンドルのつどいに向けての準備を行いました。まず、火の司、火の長、火の女神、火の守等の役割に分かれ、それぞれの役における留意点について学びました。その後、講義・演習で学んだ、対象に応じた活動やテンポよい活動などを意識して、グループ毎にキャンドルのつどいの中で行うレクリエーションの準備をしてもらいました。
↑活動のポイントを聞く参加者    ↑レクリエーションについて話し合う参加者


【講話:野外調理演習:カレーライス・手作りバター】
 青年の家職員が体験活動を実施する上で指導者に求められる技能や資質についての講話を行いました。体験活動を通じて人を伸ばすためには、「対象に応じて、適切な時期に、適切な量を、適切な指導の下」で行うことが重要であるということを話しました。参加者は、体験活動が意図的・計画的に実施されてこそ体験活動が効果的であることを学ぶことができました。
↑鉈の取り扱いに気を付けて薪を割る参加者 ↑完成したカレーライスを食べる参加者

参加者の声
・鉈など普段使わない道具の使い方を学べた。みんなで作って自然の中で食べる食事は最高だった。
・調理する中で育まれる人間力や信頼関係は大きいと思いました。


【演習:キャンドルのつどい】
 指導者としてキャンドルのつどいを展開できるように、1部火を迎える儀式、2部レクリエーション、3部火を送る儀式を進行してもらいました。事前の演習で学んだ、ろうそくの扱い方や指示の出し方などに気を付けながら会を進めていました。2部のレクリエーションでは、どのグループも参加者同士の交流を深めることができるように活動人数や指示の出し方などを考えた活動ができました。
↑火を迎える儀式 ↑大いに盛り上がったレクリエーション

参加者の声
・儀式とレクリエーションとでメリハリをつけて活動を行うことで、とても印象に残りました。
・キャンドルの集いの女神役をやらせていただき、貴重な体験になった。第2部のレクリエーションもとても楽しかった。


【野外調理演習:ホットサンド・コーンスープ】
 2日目の朝食はホットサンド作りでした。ここでのポイントは、調理器具を使わず、火を起こさないということです。ホットサンドは、食パンにハム、レタス、チーズなどをのせて巻いたものをアルミホイルに包みます。それを牛乳パックに入れ、火を着けます。このように調理するため「手間がかからない」「ごみが少ない」という早く次の活動にうつれるという利点があることも学ぶことができました。準備から片付けまで1時間程で終わることができました。
↑ホットサンド作りに取り組む参加者 ↑牛乳パックに火をつけて調理する参加者

参加者の声
・牛乳パックで作るホットサンドがとてもおいしかったです。
・ホットサンドは手軽で家族のキャンプでも取り入れたいと思いました。


【講話・演習:応急救護】
 朝食後、野外活動中に想定される怪我や病気への対応について学んでもらいました。より専門的な対応を学べるように田川消防本部添田分署の永井 幸治氏、吉住 圭祐氏を講師として招き講話・演習をしていただきました。演習では、参加者の緊急時の対応力を高めるために、実際に起きた熱中症や捻挫などの事例に基づき、119番の通報役や処置役などに分かれて緊急時の対応シミュレーションを行いました。さらに、参加者はそれぞれの職場で想定される事故について質問するなど、意欲的に活動していました。
↑講師より搬送法を学ぶ参加者 ↑緊急時の対応をシミュレーションする参加者

参加者の声
・いざという時に落ち着いて行動するための演習ができた。とてもわかりやすかった。
・アクシデントをシミュレーションしての活動は大変良かった。いざという時を考え、体験しておくことはとても大切だと思った。


【野外調理演習:ピザ】
 2日目の昼食はピザ作りの演習を行いました。参加者に1日目の野外調理で学んだ衛生面や安全面のことを振り返り、生かしてもらうために野外調理をもう一度行いました。参加者は薪割りや火起こしが上手に行えるようになり、研修の成果が見られました。3回の野外調理の演習を通して、それぞれに調理の方法や目的が異なり活動させる対象や活動の構成によって使い分けることを学んでもらうことができました。
↑発酵したピザ生地を囲んで ↑ピザ焼きにチャレンジする参加者

参加者の声
・時間・道具が違うそれぞれの野外調理を学べたことで、それぞれの特性に合わせてプログラムに組み込みたいです。


全体をとおして

 今回、「参加者が体験すると同時に、リーダーとしてどのように子どもたちを指導するのか」という意識をもてるようにプログラムを進めました。参加者17名と少数ではありましたが、演習において一人一人が体験する時間が長く、参加者からは「有意義な活動になりました」という感想が聞かれました。また、「今後の教育活動で生かしていきたいです」「実践できるようにしていきたいです」など、今後の活動に意欲を示していました。ぜひとも今回の研修を生かして、体験活動リーダーとして活躍されることを期待しています。