事業の報告 平成29年度
  環境ボランティア養成研修in英彦山Ⅰ
事業目的

 自然豊かな英彦山を舞台に、講話や実習等を通して、森林環境や河川環境に関する理解を深めるとともに、環境保全を主体的に行うことができる環境ボランティアの養成を図る。

期 日   平成29年6月18日(日)

参加者 27名(高校生19名、大学生7名、ボランティア団体1名)

プログラム

   【6月18日(日)】
 時  間  活 動 内 容
10:00~10:10 開講式
10:10~10:30 説明「環境ボランティアの意義について」
10:30~11:00 講話「福岡県の森林環境の現状について」
11:00~12:00 活動「森林整備体験」
13:00~15:30 実習「間伐材を使ったものづくり」
15:30~15:45 閉講式

活動の実際
 
説明【環境ボランティアの意義について】
 環境ボランティアについて理解を深めていただくために、英彦山青年の家職員が説明「環境ボランティアの意義について」を行いました。ここでは、「地球上で起こっている環境問題」や総務省統計局平成23年「社会生活基本調査」のデータを使って、「環境ボランティアの活動状況」について説明をしました。また、実際に環境ボランティアに取り組んでいる方の「環境ボランティアは『社会貢献』や『良好な人間関係作り』につながる」という体験談を紹介しました。
 参加者は、環境ボランティアの重要性と環境ボランティア活動に参加する意義について学びました。

講話【福岡県の森林環境の現状について】
 参加者に福岡県の森林環境の現状について知っていただくために、福岡県飯塚農林事務所林業振興課普及係長の本田晴政氏に、講話「福岡県の森林環境の現状について」をしていただきました。本田氏からは、「福岡県の森林面積のうち、人工林が66%占めていること」、「水源涵養機能や良質な材木を将来へ残すために、森林の手入れをすること」、「森林の手入れをしてできた間伐材を使うことが大切であること」等を説明していただきました。   
 参加者は、本田氏の講話を通して、森林環境の現状や森林整備をした後の間伐材を使用することが重要であることを学びました。
   ↑本田氏の講話の様子    ↑本田氏の話を聴く参加者

参加者の感想
・今の日本の森林環境の現状や過去の日本の現状について、知ることができて良かった。
・森林環境が悪化していることが分かった。
・今の環境について、課題ややるべきことが理解できた。これから自分にできることから環境保全を行っていきたい。

活動【森林整備体験】
 参加者に誰でもできる森林整備をしていただくために、本田氏の説明の下「皮むき間伐」を行いました。皮むき間伐とは、木の下部の表皮を剥ぐことによって、土の中からの水分や養分が木全体に行き渡らないようにして、枝や幹を次第に枯れさせる間伐の方法です。本田氏から皮むき間伐は、半径4m内に、密集して生育している木々や細く曲がっている木を間伐することが良いと説明していただきました。参加者は班に分かれて、皮むき間伐をする木を話し合いながら選びました。その後、のこぎりやヘラ等を使い、きれいに木の表皮を剥ぎ、森林保全の方法を学ぶことができました。
↑本田先生による皮むき間伐の説明 ↑班で協力して皮むき間伐を行う参加者
 
参加者の感想
・木の皮を剥いで、木を枯らせるという手法があることが分かった。
・少し傾いている木や細い木などがあったら、間伐しているのが分かった。  
・活動を通して、皮むき間伐は自分でもできる環境保全活動であると感じた。
 この研修で学んだことを今後の生活に生かしていきたい。

実習【間伐材を使ったものづくり】
 参加者に間伐材利用の大切さを知っていただくために、福岡教育大学教育学部教授の大内毅氏から間伐材を使った箸作りを教えていただきました。まず実習の前に、大内氏に県内の森林環境の現状、間伐材利用の意義や利用方法等について説明をしていただきました。その後参加者は、班に分かれて間伐材の木目の方向や節に注意しながらかんなで木を削り、箸を作りました。各班には、福岡教育大学の学生スタッフが入って、参加者のサポートをしてくれました。間伐材を使い、箸を作る実習を通して、参加者は間伐材利用の大切さや間伐材のよさについて学びました。
 
↑かんなの使い方を説明する大内氏 ↑箸作りをしている参加者の様子
 
参加者の感想
・先生の話を聞き、間伐した後、植林をしていることが分かった。
・間伐材を使って、立派な箸を作ることができた。
・間伐を体験し、間伐材を利用した箸を作ることで、間伐材の活用方法を知ることができた。
 
全体をとおして
 「環境ボランティア養成研修in英彦山」は、年間3回シリーズで行う事業です。今回の第1回研修は、講話や実習等を通して、森林環境に関する理解を深めるとともに、環境保全を主体的に行うことができる環境ボランティアの養成を図ることを目的として行いました。参加者からは、「森林の現状や間伐のことなどを学んで、森林環境について理解が深まった。」「自然と直に触れ合うことによって、自然の大切さなどを感じることができた。」「これから、環境保全を意識しながら、生活を送っていこうと思う。」「これからは自分にできることから、環境保全を行っていきたい。」などの感想がありました。森林環境保全に関する理解を深めるとともに、これから主体的に環境ボランティアに参加しようとする意欲を向上させる研修となりました。
 参加者の方々が、今回の研修で学んだ知識や技能を生かして、今後主体的に環境ボランティアに参加し、活躍されることを期待しています。
 
 参加者全員での記念写真